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2015
09.17

ルー・ソロフ氏のウォーミングアップの記事を訳してみました。

LF

僕は2004年9月から2006年1月まで約1年4ヶ月アメリカに滞在していました。外国人アーティストと共演させてもらったり、平気で海外に一人で出掛けたりするので、英語がペラペラだと思われがちなんですが(笑)、全然そんな事はありません。帰国して10年経つ事もあり、さらにその頃より能力も落ちていると思うので、もっと勉強しなくてはと思っています。

とはいえ、時間を確保し、継続するのは大変で、何か良い方法はないかといろいろ試行錯誤していたのですが、なかなか良い方法を見付けました!

それは今流行の?オンラインでの英会話教室です。Skypeを使ったレッスンで、毎日受講しても月4000円程度からあります。つまり1回(25分)で100円ちょっと。最初は何となくカリキュラムのようなものでやっていたのですが、一向に上達する感覚がありませんでした。そこで、

自分が興味のある記事をネットで探し、それを音読し、発音を直してもらったり、分からない単語や文章の意味を教えてもらう(日本語では教えてくれないので、英語で考える力も付きます)。

という自分主体のやり方にしてみたのです!
これがとても効果的でした。主な効果は、、、

1.  自分にとって興味のある内容なので飽きない、楽しい
2. 音楽と英語を同時に学習できて効率的
3. 英語に関しては、Reading、Speakingを同時に訓練出来る
4. こうして訳を公開する事で、自分だけでなく、第三者の役にも立つ(訳は直訳ではなく、なるべく音楽的に分かりやすい言葉を選ぶので、教えるスキルも向上する)
5. 毎朝同じ時間にレッスンの予約をするので、音楽家には(僕には)難しい、規則正しい生活が出来るようになった(結果1日が長くなり、他に出来るタスクも増えた、体調も良くなった)

ざっと挙げてもこんなにあります!
「好きこそものの上手なれ」「継続は力なり」という言葉がありますが、正にその通りですね!
自分のためだけでなく、他人のために何かをやる事は、とても大きなモチベーションとなり、継続に繋がります。それから、目的を複数持つという事。アマチュアの方にとって楽器の練習の継続は決して簡単ではありませんが、僕は生徒さんに「身体や心にも良いので是非続けて下さい」という話をしますよ!

また、英語の学習とジャズ(特にアドリブ)はとても共通点が多い気がするので、その辺りも改めて勉強になっています。この件も随時ブログで公開していきますね♪♪

さて、そろそろ本題。

第一段は、トランペット奏者、ルー・ソロフ氏のウォーミングアップに関する記事です。

ルー・ソロフ氏は、イーストマン&ジュリアード音楽院出身で、ブラス・ロックバンド「ブラッド・スウェット&ティアーズ」やギル・エヴァンスオーケストラで活躍。日本にも、デビット・マシューズ氏率いるマンハッタン・ジャズオーケストラやクインテットでよく来日されていたので、ご存知の方も多いかも知れません。残念ながら今年の3月に71歳で亡くなりました。この記事はその直前だったような気がします。

http://arbanmethod.com/lew-soloff-warm-up/
↑こちらではPDFで楽譜もダウンロード出来ますし、インタビュー動画もあるので、是非お立寄り下さい。


『私は幸運にも偉大なトランぺッターであるルー・ソロフ氏のレッスンを十分に受ける事ができ、親しくなる事で、テキスト(ショートメールのような携帯でのテキストメッセージ?)での質問にもすぐに答えてくれました。彼は今でも僕の音楽と人生において、最も大きな影響を与え続けてくれている一人です。

彼が最初に私に見せてくれた事の一つは、彼の日課の基礎練習である、ウォーミングアップでした。それはありふれたいくつかのエクササイズの組み合わせでしたが、例えあなたがクラシックプレイヤーであってもジャズプレイヤーであっても、またその両方であっても、完璧な、トランぺッターのためのウォーミングアップです。彼が言うには、(譜例の)1-4Bは、ライアン・カイザーとシェロスバーグのメソッドからの引用だそうです。ルー・ソロフのウォーミングアップは、倍音列を使った替え指の練習です(例:1-2-3で低音C#、中音のF#,C#、高音のF#)。


ポイント、コツ


・リラックスした演奏と、ソフトな(適度な)ボリューム。
・音が安定する(ぐらつかない)事に集中する。十分な息の流れ(訳者注:たくさん吸ってたくさん吐くという事だと思います)。波に乗るかのような(訳者注:自然な流れの例えだと思います)豊かな音。
・喉を開く
・考える事「集中」「安定」「豊かなサウンド」「リラックス」
・適度な休憩。
・いろいろなテンポで練習しましょう。私はこのウォーミングアップを上達出来るように、少しずつテンポを早くしていきます。正確さを損なわないで下さい。もし出来ない所があればテンポを落とし、正しく出来るようにしましょう。

 

私はルーが「もし君がそれぞれの練習の間で立ち止まる事が出来たら、それは良い事だよ!」と言っていたのを覚えています。彼は一つ一つ完璧に演奏する事に関してとてもうるさかったのです。もし彼が音を外したり、出た音の感触が良くなかった時、彼はそこで立ち止まり、リセットし、再び演奏し、正しい感覚を見付けていました。

ルー・ソロフは最高だよ!彼のウォーミングアップを楽しんでみて下さい。

あなたの楽器を通して、感じるままに、どんな音楽的な要求にも取り組む事が出来るようになるでしょう。

 

ウォーミングアップ by ルー・ソロフ

 

ウォーミングアップの重要性を説明するひとつの方法として、空手の達人に例えてみましょう。黒帯を持つある空手の達人は、すぐにでも街中で4,5人の相手をする事が出来ます。「ちょっと待って下さい、私はウォーミングアップが必要なんです。」と言う事はないでしょう。彼はどんな練習をしているのでしょうか?

彼は身体のトレーニングをしています。筋肉を育てています。だからとっさの動きであってもすぐに身体が動くのです。

トランペットは肉体的な楽器です。あたなの筋肉はとても敏感で、一貫性があります。あなたは飛行機に乗り遅れたりして、本番の2分前に現場に着く事もあるかも知れませんが、もしもあなたが適切にコンディションを整えていれば、あなたはウォーミングアップなしでも問題ないと思います。

初めての現場の時、部屋に入るまでそれが何の仕事なのか分かりません。もしかしたら世界で最も簡単な仕事かもしれないし、とてもハードなものかも知れません。もしもあなたがオーケストラ奏者なら、例えば今日、マーラーの5番を演奏し、これから3週間後(モーツァルトの)ジュピター交響曲を演奏する事を知っています。特定の曲を想定してウォーミングアップする事が出来ますよね。私のようなフリーランスの世界では、その場で必要とされるいろいろな状況に対して融通が利く事を求められて雇われます。

ウォーミングアップでまず最初にする事は、短い時間、唇だけのバズィングをします。おそらく長くても7秒から10秒位、自分にとって最も高い音を出そうとします。もしあなたが高い音のバズィングが出来なくても気にしないで下さい。これは、上下の唇を保ち、あなたの出せる音のひとつ上を目指す事を意図しています。この高い音を出す7秒〜10秒のスパートを、2,3分間行い、感覚が慣れてくるようにします。その後、私は、何かの曲をマウスピースで演奏します。私は練習の大半が、技術的ではなく、音楽的でなければならないと思っています。リップスラーを演奏する代わりに、私はCDで好きな曲をかけ、まるでトランペットを手で持っているかのように(マウスピースで)演奏するかも知れません。

ほとんどのトランペット奏者は、ある時は楽器を持ってすぐに良い音が鳴る経験をしています。ただ、またある時は、誰かに綿の枕をベルに詰められたような感覚の日もあります!

あなたがマウスピースで練習する時、サウンドが詰まったような感覚がどうかを聴く必要はありません。あなたはオートマチック(訳者注:日本語だと機械的にでしょうか?)に、マウスピースで出ている音を無視し、あたなが本当に出したいサウンドを想像しましょう。私はこの方法で、1日に15分〜20分、マウスピースの練習を行います。

そして私は、同じ事をトランペットで行います。ハードなタンギングはせず、スラーがほとんどです。私にとって最も大切な事は、(唇の)柔軟性と、楽器をしっかり鳴らし、共鳴させる事です。私は、それが即興演奏のアイデアであっても液体が流れるような自然な感覚を手に入れるよう心がけます。別の言い方をすると、私はストレスをかけません。

マウスピースとトランペットでの基礎練習の後、私はスケール練習で音域を広げていきます。低音のF#から1オクターブのメジャースケールをメゾピアノからメゾフォルテくらいで始めます。そして私はマウスピースを唇から離し、リセットし、Gメジャーを同じ感覚で演奏、次はAbからという風に半音ずつ上がっていきます。

どうしてマウスピースを唇から離してリセットするかを気にする必要があるのでしょうか?

あなたがハイEbまではきちんと演奏出来るけど、ハイEに問題があるプレイヤーだとします。あなたはEbスケールをストレスなく演奏する事が出来るでしょう。ただ、恐らくEスケールにおいては、トップの音に不安がある事をあなたはすでに知っているために、その前のほとんどの音は完全に緊張しているよう(保守的になっているよう)に聴こえてしまうでしょう。

ハイEの前で緊張してしまった(保守的になってしまった)方法では、EスケールのF#やG#やAの音で緊張しているという事です。でもそれはばかげた話です。なぜなら、あなたはそれらの音をDスケールの中では完全にリラックスし、ハイDまできちんと使えていたんですから。マウスピースを唇から離してリセットする目的は、ひとつ下のスケールを意識し、再度集中し、緊張を防止するためです。

特定の日にあなたの音域がどんな状態であっても、快適な感覚を感じるように演奏して下さい。限界の状態で吹いてはいけません。理想的には、あなたはとてもリラックスした状態で練習すべきです。そうすれば、あなたが仕事場でハイノートを見て緊張する時でも、練習で心がけたリラックスの状態は心の中に留まってくれる事でしょう。


いかがでしょうか?

唇のみでのバズィングでいきなり最高音という練習についてはちょっと注意が必要というか、彼にはOKだけど危険もある気がするので、合わない方はやらない方が良いかもです。

ちなみに僕は、最初の赤字の部分がとても印象的でした。

「金管楽器は身体の調子が反映されやすい楽器。ウォーミングアップの段階で良い音がしない日があるのも当たり前。だから、マウスピースから出ている音を聴いてダメだと思ってしまうとその日1日ダメになってしまう。それよりは自分の出したい音をイメージし、そこから自分のコンディションを上げていく感覚が大切」

というような意味かな?と解釈しました。あえてここを「オートマチック」にする事で、すごく気持ちが楽になりますね!ただ、オートマチックとはいえ、実は「自分の出したいサウンドに集中する」という、最も大切なポイントを突いています。

もうひとつ、スケールで音域を上げていく際のメンタル的なアドバイスも素晴らしいですね!

このような良い記事が英文ではたくさんあるので、これから自分の英語学習も兼ね、たくさん紹介していけたらと思います!

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PROFILE
フジイ ヒロキ
フジイヒロキ/藤井 裕樹

株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger,
Teacher, Writer, Producer, Consultant

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