今日で東日本大震災から9年が経過しました。
これまでも震災の復興支援や、フィリピンの貧困の子どもたちへの支援などを行なってきたのですが、こうしてボランティア活動をしていると、「藤井君、東北出身なの?」とか「フィリピンと何か関係があるの?」と聞かれたりします。
また、音楽業界の事情をあまりよく知らず、華やかで儲かる仕事だと思っている人は、ボランティアをやっていると、僕自身がとても儲かっていると勘違いしている人もいます。
日本は欧米と比べても寄付の文化がなく、「おもてなしの国」というわりには結構他人に無関心で、ボランティアをやる人が少し特別な存在になってしまっている気がしますが、本来はそうではないと僕は考えています。
正しく理解してもらうためにも、そもそもなぜ僕がボランティアをやっているのかを書かせていただきますね。
きっかけは「母の死」
僕の事をよく知らない友人や、ホームページのプロフィールなどでしか見ていない人には、僕があまり苦労をしていなくて、とてもスマートに生きているように感じるようです。でも、人ってそれぞれ見えない部分がありますよね。特に、ネットに書かれている自分の情報なんて、ほんの一部を切り取ったにすぎません。
僕の今の生き方を決定付けた大きな出来事は「母の死」です。
僕が小学校に入学する約1週間前の3月末に白血病で亡くなりました(今の僕よりも若く、30代後半でした)。父とも離れ、祖父母の家に預けられ、(世話にはなったものの)虐待に近い扱いを受けたり、学校でのイジメもありました(母の医療費も随分かかったので、学費の高い音大には進学出来ませんでした)。自分で言うのもなんですが、結構苦労したと思います。
そんな中で、唯一の心のよりどころがトロンボーンや吹奏楽で、それがあったからこそ生きてこられたし、今の充実した毎日があります。
災害も貧困の支援も、まずは衣食住だとは思いますが、音楽にはそういった支援とは違うパワー、価値があります。実際フィリピンのスラムでも、音楽のおかげで生きる希望を持てている子どもたちがたくさんいるのです。
僕の動機はあくまで、自分の経験をシェアし、それが少しでも社会の役に立てば良いなと思っているだけなんですよね。東北出身だとか、フィリピンに関係があるかはどうでも良い話で、ただただ「縁」だと思っています。
誹謗中傷は良くない
日本では、芸能人でX JAPAN・LUNA SEAのSUGIZOさんやダルビッシュの元奥さんの紗栄子さん、歌手のGACKTさん、倉木麻衣さんのように、名前を出してボランティアをしている人に対して「売名行為」のように言う人が多くいますが、本当に悲しくなりますね。
知名度、影響力のある人が発信する事で、僕なんかが活動するよりはるかに注目され、必要な支援が集まります。
僕のような無名な人間でも売名行為のように思っている人もいるかもしれませんが、本当に売名をして儲けたいのであれば、もっとコストがかからず、効率的に稼ぐ事は出来ます。
何も活動せず、匿名のインターネットで誹謗中傷をする側の人間にはなりたくないので、自分に出来る事を少しでも良いからやり続けたいと思っています。
チャリティーCDも引き続き販売しております。
参考:リリース時のブログ
デジタル配信も始めました。
(「フジイヒロキ」で検索してください)