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2017
04.14

「楽しい吹奏楽部ライフのために」

4月に入り、新生活が始まった方も多いと思います。

期待に胸が膨らむ良い季節ですよね!

新入生はそろそろ部活を決める頃かも分かりませんが、僕も約25年前、中学校に入学し、吹奏楽部に入部しました。その当時は、まさかこの歳までトロンボーンを続けるとは思わなかったし、ましてやプロの音楽家になるなど、全く想像もしていませんでした。

ですが、こうしてトロンボーンと共に歩み、人生が充実したものになっているのは間違いありません。

吹奏楽部に入ったきっかけは?

僕には2つ歳上の兄がいて、先に中学校に入学した彼がトロンボーンを始めました。

時々学校の備品を持って帰って来ていたのを借りて吹かせてもらっていたのですが、初めて音が出た時はとても嬉しかったですね。

吹奏楽部全体の音も、その頃初めて生で聴き、小学校の鼓笛隊などとはレベルの違う迫力に感動したのを覚えています。

この2つの出来事があり、自分も中学入学と同時に、自然と吹奏楽部に入部し、トロンボーンを担当する事になりました。

そして、現在に至るまで(ピアノなどでは味わない)大勢でのアンサンブルの醍醐味、その中で出来た友人との人間関係、一生懸命練習して結果を出せた事、お客さんに喜んで貰えた事、頑張ったけどうまくいかなかった経験など、様々な出来事が自分の音楽活動の糧となっています。

最初の頃は、ちょっと複雑なオモチャを手にしたような感覚で、深く考えず、ただ「技術的に上手くなりたい」と思って演奏していただけかも分かりませんが、経験を重ねるにつれて、「お客さんに喜んで貰いたい」とか、「良い〝音楽をしたい」と思うようになりました。この事は、プロになった今でも変わっていないです。

決して、「コンクールで金賞を取るため」にやっていたわけではありません!

 

「目的」と「手段」とは?

こうして音楽で生活をさせていただいている立場から伝えたいのは、

コンクールで金賞を取る事を「目的」にして欲しくはないという事。これはあくまで「手段」です。

「お客さんに喜んで貰いたい」、「良い〝音楽をしたい」という「目的」の上で、「手段」として競争するのはむしろ良い事かも知れませんが、ここを間違うと音楽や楽器を嫌いになってしまったり、部活動が苦痛になってしまう可能性があります。

僕自身も、中学校は全国大会出場の強豪校にも在籍し、逆に高校は地区大会止まりでのんびりやっている吹奏楽部でしたが、この歳になっても趣味で楽しく楽器を続けている人の数は、圧倒的に後者の方が多いです(僕にとってはどちらもかけがえのない経験ではありますが)。

いろいろな価値観があるので、どれが正解というのはないのかも知れませんが、是非、楽しい『吹奏楽ライフ』を送っていただきたいと思います。

2019年4月1日追記

最近強く思う事。

吹奏楽部の学生さんや音大生だけでなく、大人も「目的」と「手段」を混同してしまっている人が多いと思います。

アマチュアバンドの活動を見ていても、定期演奏会などのコンサートで「お客さんに意識が向いていない人がとても多い」と感じますね。長く活動しているバンドは特に、イベントがルーティン化し、技術的にレベルアップして”こなす”だけになっている団体を多く見かけます。

うちに習いに来る生徒さんに「目的やゴール」を尋ねるんですが、「基礎力を上げたい、タンギングが上手くなりたい、高い音を出せるようにしたい」などと答える方がほとんど。

それらは全て「手段」ですよね。

「こういう目的があるので、この部分を上達したい」というように伝えられる人が大人でもいません。
もちろんアマチュアの方は自分がお金を払って楽しんでいるので、「自分のため」は悪い事ではありません(シニアの方が自分の健康のために楽器をやるとか)。

ですが、どこかの団体に所属してアンサンブルをやっている以上、発表の場(人に聴いてもらう場)は付き物。

もっと「お客さんのため」に演奏してほしいと思います。

お父さんは自分の奥さんや子どもさんのためとか、若い男の子は彼女のためなど、特定の人を思い浮かべるだけでも意識は変わります。

「その人たちにより良い音楽を届けたいから(→目的)練習する(手段)」

このほうが充実した活動が出来るのではないでしょうか。

レッスンも継続していると、「学びに来る」、「楽しみに来る」人よりも「受けに来る」人が増えてきます。これも日本のカリキュラム教育の影響だと僕は考えています。なんとなく英語を習いに行っても(学校で授業を受けていても)、おそらく喋れるようにはならないですよね。

「私は英語が喋れないから、まずは学校でしっかり文法を学んで、”完璧”にマスターしてから喋ろう」

こんな人は遠回りか、永遠にゴールには辿り着けません(私は下手なので基礎を”完璧”にマスターしてから曲を演奏しよう、ステージに立とうという人と同じ)。

「来月アメリカに旅行に行くから、転勤になるから英語を学びたい」

このように「目的」がはっきりしている人のほうが上達します。

教える側も、旅行が「目的」の人と、転勤(ビジネス)が目的の人とでは教える内容(手段)が変わって来ますよね(先生はあなたに適切なアドバイスが出来ません)。

自分が明確な「目的」を持っていない事に気付いていない人は損をします。

本日新しい元号「令和」の発表がありましたが、新しい時代はこの辺りがもう少し変わってくると良いなと思っています。

↓参考

NSU教育学部「目的と手段」
https://nextstage-p.org/?member_contents=next-stage-university-education_1

NSU教育学部「カリキュラム教育のメリット/デメリット」
https://nextstage-p.org/?member_contents=next-stage-university-education_2

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PROFILE
フジイ ヒロキ
フジイヒロキ/藤井 裕樹

株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger,
Teacher, Writer, Producer, Consultant

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