改めまして、藤井裕樹(フジイヒロキ)と申します。
19歳から約20年間、ジャズ、ポップスを中心にトロンボーン奏者、作編曲家、音楽教室の講師としてお仕事をさせていただき、昨年、40歳を目前にして会社を立ち上げました。
現在は株式会社マウントフジミュージックの代表取締役として、コンサルティング、プロデュースや執筆、教室経営(講師兼)などを行い、トロンボーンもマイペースに続けています。
また、NPO法人ネクストステージ・プランニングでは、若い音楽家の職業的自立の支援もさせていただいています。
まさかのコロナショック!
起業して1期目のこのタイミングで、想定外のコロナショックが起きてしまいました。
このタイトルに興味をもって記事を読んでくださっている方に、改めて昨今のエンタメ業界の惨状を説明するまでもないですよね。
うちの会社も、レッスン事業は2月後半から全て休業状態で、もしかしたら生徒さんは「藤井先生は大丈夫か?」と思っているかもしれないし、お世話になっている税理士の先生は「御社の経営状態が心配です」といったメッセージをくださっています。
そう思われても無理はないのですが、現時点でうちの会社は、そこまでひっ迫した状況ではありません。
起業したと言っても、個人事業主(フリーランス)としてこの業界で20年の経験があり、自分のトロンボーン奏者としての能力を客観的に評価し、演奏以外も仕事にする「リスク分散」をかなり前から行っていました。
さすがにコロナウイルスは想定外でしたが、近い未来に我々の業界で起きる事が何年か早まっただけだと考えています。
これから起きる事を予測する!
ジャズやクラシックで、ライブハウスやコンサートホールに足を運んでくださるお客様は、Jポップ、アイドル、ヒップホップなどの業界と比べた場合、間違いなく平均年齢が高いはずです。
コロナに関係なく、高齢化したお客様がさらに高齢化し、若い世代への移行が進まなければ集客が出来なくなるし、高齢のライブハウスオーナーが引退して後を継ぐ人がいなければ、演奏する場所は失われていきます。
コロナの影響で急激にテレワーク化が進み、「こんなにやる人(やれる人)がいたの?」っていうくらい、宅録によるリモートアンサンブルの動画がYouTubeにアップされたり、オンラインレッスンを始める人が出てきましたが、AI(人工知能)やデジタル技術の発達により、近い将来、多くの仕事が失われる、オンライン化していくという予測は随分前から出ていましたよね。
「南海トラフ地震」などという言葉もよく聞くように、日本は災害大国であり、東日本大震災規模の地震がいつ来てもおかしくないわけで、仮に明日首都直下型地震が来たら、現在のコロナショックか、それ以上の事態になってもおかしくありません。
こういった事を想定して、ここ数年である程度の準備をし、個人事業主を廃業、法人を起業したため、コロナの不意打ちに戸惑いはしたものの、被害は最小限に食い止められている気がします。
起きた事をポジティブにとらえる!
もちろんコロナショックは起きてほしくなかったですし、世界中で多くの方が亡くなられている事は悲劇以外のなにものでもないのですが(亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りします)、個人的には、このタイミングで起きた事は、「未来の予兆として、早めに考える時間をもらった」と受け止めるようにしています。
実際、うちの会社の事業計画として、ビッグバンドのような大人数の教室を増やそうかなと考えていましたが、3密の回避が難しいこの形態はリスクが高いと事前に知る事が出来ました。
グローバル化を考え、昨年は台湾、インドネシア、タイ、フィリピンに視察に行き、ある程度の手応えも感じていましたが、ここまで世界が分断され、渡航出来ない状況に陥り、「慎重になるべき」というメッセージをもらえました。
なんとかこの危機を乗り越え、プラスに転じる方法を考えていきたいと思っています。
自分に出来る事は?
また次回以降に書きたいと思っていますが、僕は高卒で、音楽を生業にするにしてはあまり恵まれた状況でないところから這い上がった過去があるので、ある種の「サバイバル術」をすでに身に付けているようです(と言われます)。
僕よりも優秀なミュージシャン、アーティストは周りにたくさんいるのですが、ビジネス感覚が足りず、苦労している人も多く見受けられます。
うちの会社だけが生き残ってもなんの意味もないですし、僕自身も新人経営者として、今後のためにいろいろな勉強が必要になります。
そんな意味合いで「研究室」というタイトルで、ジャズやクラシックという「狭い業界に特化した」経営に関しての経験や知識、これから学んでいく事をシェアしたいと考えています。
少しでも皆さんのお役に立てば良いのですが。
不定期の更新になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。