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2020
05.10

コロナ禍でコントロール出来る事、出来ない事/フリーランス音楽家(ジャズ・クラシック)の経営研究室(Vol.2)

Vol.1に書いた通り、この「経営研究室」は、ジャズやクラシック業界に特化した内容にしていく予定です。

とは言え、現在(2020/5/10)は「緊急事態」ですので、経営の話の前に、この状況での心構えのような事を自分なりに書いてみようと思います。

「コロナ禍でコントロール出来る事、出来ない事」。

結論から言うと、コントロール出来るのは「自分」、出来ないのは「他人」だと考えています。

出来ない事に執着しない!

現時点で、日本政府のコロナ対策に満足している人はかなり少数派だと思います。

とりわけアーティストや文化活動を行っているフリーランスに対しての補償は、諸外国と比べても決して納得のいく対応ではないですよね。

ドイツの場合、文化相が「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」というコメントを出し、かなり早い段階で助成金を出してくれたそうです。ドイツには約300万人の個人または自営の小規模事業者がいて、その半分近くが文化関係で働いているそうです。その方々による経済的支援を求める嘆願書への署名運動があったとニュースで報じていました。

1ヶ月以上前の話なので、未だ支援を必要としているほとんどの人に助成金が行き渡っていない日本の対応がいかに遅いかは明らかですよね。

当時SNSでも多くのミュージシャン、アーティストが「ドイツは素晴らしい!、日本はどうなってるんだ!?」というような投稿をしていたように思います。

もちろん、こうしてネットで声を上げる行為で政府を動かす事が出来るかもしれません。ですが、ジャズやクラシックの超少数派の音楽家が、個人のSNSで何か発信したところで、それが政府に届き、事態を好転させるのは非常に難しいと思うのです。


日本では「音楽家が政治について語るな!」みたいなバッシングをする人が結構いますが、個人的には音楽家も、音楽家である前に一人の人間だし、納税をしている国民であり、言論の自由だし、むしろ発言すべきだと考えています。

そのうえでの大切なポイントは、

発言の「目的」、「意図」であり、「感情的な発言」は意味がないという事。

もしも本気で「自分(や家族)の生存を守りたい」という目的、意図があるのなら、「自分の行動」に目を向ける以外に方法はない思います。

僕はこれまでのプロ活動で、大手と言われる企業さんとも多くお付き合いをさせていただきましたが、自分の意見が採用された事は皆無に等しいです。残念ながら、歩兵が司令官を動かす事は出来ません。

結局は自分が司令官になるしかないわけで、僕はその後、大きな組織には属さずフリーランスになり、現場のトロンボーン奏者ではなく、プロデューサー、ディレクターのような立場になり、現在は経営者になるという選択をしました。これは「自分の行動」です。

究極的には、他人の心や感情をコントロールをするのは、どんなに親しい人であっても不可能だと思っています。

たとえば、僕(自分)の演奏を聴いて、感動してくれたお客さん(他人)がいたとします。

一見、「僕が」そのお客さんを感動させたように思うかもしれませんが、感動したのはあくまで「お客さん自身」に起きている事なので、お客さんが「自分」で感動したんですよね。

きっかけくらいは作ったかもしれませんが、客席に100人いたって全員が同じように感動してくれるわけでもありません。

それくらい自分の行動で他人をコントロールするのは難しく、究極的には「不可能」だという事です。国家レベルを相手にするのは限りなくエネルギーの無駄遣いに近いと思います。

であれば、「自分」をコントロールしたほうがを単純に楽だと思いませんか?

隣の芝生は青い!

ドイツの話に戻ります。

ヨーロッパはクラシック発祥の地であり、ドイツ文化相や首相のコメントからしても、文化に対する意識が高いのだと思います。その時点で日本政府との対応の違いが生まれる事は当然かもしれません。

ちなみに助成金がどこから出ているかと言えば、それは「税金」です。ドイツの税金は19%で、食料品や生活必需品は7%だそうですね。専門家ではないので、国としての税収がいくらあるのかまではわかりません。ですが、日本より税収が高く、助成に回せる資金が多いのかもしれません。

日本は消費税が10%になっただけで多くの国民が文句を言っている状態なので、普段税金を払っていないのに、こんな事態になったら補償しろというのは筋が通らないのかもしれません。

ドイツでは、「アーティストに補償をします」というニュースが出たのとほぼ同じタイミングで、州の財務相で自殺者が出ています。

文化相が「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」なんて言っちゃったけど、財務相は「おいおい、なんて事言ってくれたんだ、そんなお金ないよ!」だったかもしれません。もしも将来、国が破綻したら、手厚い補償は失敗政策だった事になります。

アーティストやフリーランスの数、つまり、支援の対象者の人数に違いがあるかもしれません(個人的に、日本は「自称プロ」のような人も多く、人数が多すぎるのでは?と感じています)。

何が言いたいかと言うと、

「隣の芝生は青い」ということわざがあるように、他人(他国)の状況は当事者にしかわからない、未来もどうなるかはわからない、だからやっぱり「自分に」、「今に」目を向けよう!なんです。

ニュースやワイドショーで「コロナはいつ終息しますか?」、「ワクチン、治療薬はいつ出来るんですか?」などという質問が飛び交っていますが、予想は出来ても、現時点では専門家ですら予想であって、誰も正解はわからないのです。的確な「情報収集」は必要であっても、正解がない以上、感情的な一喜一憂は無駄でしかありません。

フランスのマクロン大統領が「今は戦時下」だと発言されていた気がしますが、そんな中でも命があるのはありがたい事だし、スーパーに行けば食品は買えるし、インターネットもあり、第二次大戦のような戦時下と比べれば、随分幸せですよね。

音楽や芸術が本当に必要になるのは、緊急事態が空け、有事でなく、平時になった時だとも言えるので、その時にパワー全開になるように、いろんな形で「充電」をするのがベストではないでしょうか(休む、学ぶ、出来る発信をする ,etc.)。

ネガティブな思考の人は「なんで自分だけがこんな苦しいんだ」と考え、思い詰めがちですが、そういう人は自分に意識が向きすぎて、逆に自分をコントロール出来ていない気がします。

同じ状況の人はたくさんいるわけで、その人の事を思い浮かべて、

「どうやったらその大切な人を助けられるかな?」と考えたほうが、結果、自分の行動のコントロールにつながるかもしれませんね。

アコースティックが魅力のジャズやクラシックで、生演奏の場が奪われているのはとても厳しい状況ですが、変えられない事態をコントロールしようとせずに、今、自分が出来る事をコントロールする、変化していく時代に対応、アジャストしていく意識が求められていると感じています。

 

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PROFILE
フジイ ヒロキ
フジイヒロキ/藤井 裕樹

株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger,
Teacher, Writer, Producer, Consultant

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