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2021
04.25

幸せの国フィンランドからの音楽便り Vol.1

こんにちは。
マウントフジミュージック代表の藤井です。

突然ですが、皆さんは『幸福』と言われたら何を思い浮かべますか?

家族や友達と一緒にいる時、美味しいゴハンを食べに行った時、旅行でお気に入りの場所を訪れた時…

一人ひとりの中に、それぞれの『幸福』が存在しますよね。

昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大により、これらのちょっとした『幸福』が大幅に制限される日々が続いています。改めて、これまでの何気ない日常に感謝すると共に、「withコロナ」「新しい日常」と言われる時代を迎えるにあたって、自分にとっての『幸福』が何なのかを見直した人も多いかもしれません。

僕自身も、自粛で時間があった事もあり、ネットサーフィンの時間が増えました。その中でたまたまたどり着いた『世界幸福度ランキング』というワード。

第1位ってどこの国だと思いますか?

なんと「フィンランド」だそうです!

※ちなみに日本は56位だとか…

日本人にとってあまり馴染みのない国ですよね。パッと思い浮かぶのは、サンタクロース、サウナ、ムーミンくらいでしょうか。

僕は海外旅行が好きで、コロナ前の2019年は、1年に4回海外に行っていました。それを楽しみに働いていると言っても過言ではないくらいです(笑)。

いろいろな国の人や土地、食べ物などに触れ、違った文化を吸収し、刺激を受ける事が僕にとっての『幸福』の価値観の一つのようです。

これまであまり注目していなかったフィンランドという国に、俄然興味がわいてきました。

コロナ前であれば、「よし、行っちゃえ!」なんですけど、今はそうはいきません。でも、ネットの情報だけでなく、現地のリアルな声を聞きたい。

よくよく考えたら、なんと移住した同業者で同い年の友人がいたのです!

ユーフォニアム・トロンボーン奏者の児島瑞穂さんは、同じ学区の都立高校で、お互い吹奏楽部に在籍。学区ごとで集まる連合音楽会で共演し、2人とも音大志望だった事で仲良くなりました。

その後、僕は音大受験をやめ、高卒でジャズ・ポップス業界に飛び込み、渡米も経験、彼女は高校在学中に交換留学でインドネシアに行き、帰国後は国立音楽大学へ。その後フィンランドに留学し、そのまま現地に在住しています。

Facebookではつながっていたものの、すれ違いの人生だったのですが(笑)、2019年の年末に、一時帰国していた際に20数年ぶりに再会しました。

そんな児島さんの存在を思い出し、連絡してみたのが、この記事を連載してもらうきっかけです。

コロナ禍でオンライン化が進み、Zoomやリモートアンサンブルが簡単に出来るようになりました(この記事の後半に、児島さんほか、フィンランドの金管奏者たちと共演した動画があります!)。

週に1回程度、フィンランドがどんな国かや、日本との違い、それぞれの良いところなどを話してみると、『幸福』に関するキーワードがたくさん見つかりました。

マウントフジミュージックは、

「LIFE WITH MUSIC」(音楽と共にある生活を)

をコンセプトにしています。

「音楽」を通して多くの方に『幸福』を感じていただく事が当社の理念でもありますので、単なる同業者、友人同士の雑談ではなく、皆さんにシェアをしたいと思いました。

どちらの国が優っている、劣っているという事ではなく、違った価値観を知り、理解し合う事で、これからよりグローバル化、多様化していく社会において、自分なりの『幸福』とは何かを考えるきっかけになれば嬉しいと思っています。


皆様、はじめまして!児島瑞穂です。

藤井君と出会って、四半世紀もが過ぎた今、このような形で一緒にお仕事が出来るとは、当時は考えてもいませんでしたが、これも音楽が結びつけてくれた、ありがたい出会いの一つですね!

中学校の吹奏楽部でユーフォニアムを始めた私は、国立音楽大学を卒業するまでユーフォニアム一本だったのですが、人口の少ないフィンランドで音楽で食べて行くために、また、音楽的視野を広げるために、シベリウス音楽院在学中にトロンボーンも始めました。ちなみに高校生のころ、時々藤井君と一緒にスタジオで練習していたのですが、お互いの楽器を遊びで交換した際に、「トロンボーン似合わないね(笑)」と言われたのを今でも覚えています(根にはもっていませんよ…笑)。

当初、2年間の音楽留学のつもりでフィンランドに来ましたが、気付けば、仕事、結婚、二児の出産と、あっという間に20年近くの年月が過ぎていました。という事は、あと少しで、人生の半分をフィンランドで過ごした事になります。日本語会話もおかしくなるわけです、、、。この連載を企画する段階で、何度もオンラインミーティングをしたのですが、藤井君には「バズる」など、新しい言葉をいくつも教えてもらいました(笑)。

今は、フリーランスとして両方の楽器で演奏をする傍ら、音楽学校で子どもから50歳の大人まで、指導をしています(旅行好きが高じて、某航空会社の客室乗務員をしていた事もあります!)。

今年で4年連続、世界幸福度ランキング1位に選ばれたこの国の事を、これから毎月、音楽を交えながら、紹介していきますので、ぜひお付き合いください!
(注:出来る限り正確な情報をお伝えするように努めますが、研究発表ではありませんので、ご了承ください)

日本から一番近いヨーロッパの国、フィンランド!

フィンランドは大国ロシアのすぐ隣の国です。首都ヘルシンキまでは、日本から直行便で約10時間程。今でこそ、コロナ禍により便数は減っていますが、日本航空に加え、フィンエアーは成田、大阪へは毎日、名古屋、福岡、札幌にも飛んでいました。

日本から一番近いヨーロッパの国は、実はフィンランドなんです!

「森と湖の国」と言われているだけあって、ヘルシンキ市内にもたくさん森があり、少し郊外に行くと、数え切れないほど湖のある、自然の美しい国です。基本的にフィンランド人は森と湖が好きで、別荘で過ごすのが好きな気がしますね。

すぐに手の届く所に自然がある、これはフィンランド人が幸せを感じる理由の一つではないでしょうか。

私のライフワークは…

私はソロやオケでの演奏も大好きですが、「これが私のライフワークかな」と思い始めている音楽活動の一つに、金管六重奏があります。その名も『Euphoria Brass Sextet』。

学生時代に、元々ユーフォしか吹いていなかった私が、「金管五重奏には入れないけれど、金管アンサンブルをしたい!」という強い想いから、友達に声をかけて始めた六重奏で、もうかれこれ15年以上一緒に演奏しています。メンバーが地道に作曲、編曲をし、今ではレパートリーも70曲以上あります。

英語で言うと、幸せは「ハッピー」ですが、最高に幸せな気分になった時、楽しい気分に陶酔しているような時に使う単語が「ユーフォリア」です。このメンバーで演奏する時は、正に“ユーフォリア”を感じられる事、また、金管五重奏には無い「ユーフォニアム」が入っている事をかけて、『ユーフォリア・ブラス・セクステット』という名前になりました。

「幸せな国フィンランド」にふさわしいネーミングとも言えるかもしれません!

©︎Johannes Wilenius

今回は連載スタートに記念に、「ユーフォリア・ブラス・セクステット」に藤井君をゲストに迎えて、「Torres10」という作品を演奏しました。作曲は、私の夫ヴィサ・ハーララで、六重奏の、金髪のほうのトランペット吹きです。

実はこの曲、「ステレオタイプな英雄的小楽曲」というのが元々の名前でした。冗談で付けた名前だったので、後から「Torres10」に変更したのですが、これはこれで、曲を書く時に飲んでいた、スペイン産のブランデーにちなんでいます。藤井君のCDに入っている曲「Harvest Moon」も、ビールの名前らしいのですが、ほろ酔い気分で作曲するとリラックスして書きやすいのでしょうね。

この曲は私達のオリジナル・テーマみたいな曲で、もう何十回も演奏していますが、ソリストを迎えるのは初めてです。本当は藤井君にフィンランドに来てもらいたかったのですが、このコロナ禍なので、日本で撮った(録った)アドリブソロの動画を送ってもらいました。いつもとは違う楽しいソロを聴いて、私は何度もニンマリと、ユーフォリア気分を味わいました。ビデオにはフィンランドの写真も交えていますので、是非皆様にも幸せな気分になっていただけたらと思います!

動画内の写真協力 ラップランド自衛隊音楽隊 トランペット奏者 サリ・ピエティカイネン www.lumoavataivas.com / @sari.pietikainen

☆この連載開始を記念して、私たちのCD ユーフォリア・ブラス・セクステット「Kun」(定価2,500円) と藤井君のリーダーアルバム「Lullaby of Angels」(定価2,500円)を2枚組3,500円(税込3,850円/送料無料)で販売いたします。ぜひこの機会にお求めください!

フィンランドの金管アンサンブル、ユーフォリア・ブラス・セクステットのファーストアルバム、「Kun 〜時(とき)」。ヘルシンキ市立劇場の女優、歌手であるエミリア・ニューマンをソリストに迎え、1950〜1960年代にフィンランドで流行った歌を中心に収録。斬新な編曲で好評を博す。

ヴィサ・ハーララ(トランペット・キュミ・シンフォニエッタ首席)
元フィンランド放送交響楽団トランペット副首席。ブラジル音楽を心の拠り所にしている、マルチインストゥルメンタリスト。

ミーッカ・サーリネン(トランペット・フィンランド放送交響楽団副首席)
元々、スタジオミュージシャンとして、ポップス系や、ロックバンドでも働いていたが、放送響入団後はバロックに目覚め、現在はフィンランドバロックオーケストラ団員、シベリウス音楽院講師を兼任。

ユッシ・ヤルヴェンパー(ホルン・ユヴァスキュラ・シンフォニア首席)
元フィンランド国立オペラ劇場オーケストラ、副首席契約団員。自身の出身地である地方都市にて、音楽祭を定期的に主催している。

アンナ マイヤ・ライホ イヘクウェアズ(トロンボーン・トゥルクフィルハーモニー副首席)

元フィンランド護衛隊音楽隊副首席。トゥルク・ジャズオーケストラの設立メンバーでもあり、ジャンルを超えたクロスオーバーを得意とするトロンボーン奏者。

児島瑞穂(ユーフォニアム・北ヘルシンキ音楽学校)
東京都調布市出身。国立音楽大学、フィンランド国立シベリウス音楽院卒業。フリーランス音楽家。トロンボーン奏者としても、オーケストラの契約団員やエキストラとして活動。

アレクシ・サラスカリ(テューバ・北部キュミ音楽学校)
キュミ・ブラスイベント芸術監督。吹奏楽指導者、指揮者としての評価も高く、フィンランドの吹奏楽指揮者オブザイヤーを2020年に受賞。

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