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2021
11.28

幸せの国フィンランドからの音楽便りVol.8「長い冬を楽しむコツ」

秋も深まってきましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

東京多摩育ちの私は、留学前は「北欧の冬は寒いんだろうな。やっていけるのだろうか。」と心配していましたが、住んでみてしまえば、暖房がしっかりしている事もあり、フィンランドの冬はむしろ、快適です。ですが、怖いのは寒さではなく、、、。

暗さです。

「暗さ」と言われてもピンとこないかもしれませんが、日照時間は北に行けば行くほど短くなり、北極圏に入ると、全く太陽の上らない時期があります。この、フィンランド語でカーモスと言われる期間は、一番北のほうまで行くと50日を超えます! さすがに南フィンランドに位置するヘルシンキでは、毎日太陽は上りますが、冬至の頃は、日の出が9時過ぎ、日の入りは 15時過ぎなので、あっという間に明るい時間は終わってしまいます。

朝7時を過ぎても暗いので、私にとっては、朝起きるのが辛い時期です(笑)。ちまたの子どもたちが学校へ登校するのも、「夜明け前」の暗い時間。

日照時間が短い事に加え、天気の悪い季節でもあります。というのは、ラップランドと呼ばれる地方まで行ってしまえば、それこそ10月半ばから雪が降り、今頃はもう街中が雪の白い明るさに照らされているのでしょうが、南フィンランドではそうはいきません。温暖化の影響もあるのでしょうが、あまり雪が降らない年もあり、どんよりとした、グレーな空の日が何日も続くのです、、、。

そうなると、

「これが本当に世界一幸せな国か?!冗談でしょ?」

「太陽が恋しい!」

と、フィンランド人も皮肉を言い始めます(笑)。

実際、11月は鬱になる人が増える時期のようです、、、

そんな中で気分を明るくするために

こちらでは色々と生活の知恵があり、工夫がされています。

西洋音楽は元々、教会音楽などから発展していったものですが、コンサートやオペラなどが徐々に栄えていったのには、この「長い夜」が大きく関係しているのではないかと思います。

今日でも、特にオペラやバレエの公演では、ふだんより着飾って出かけ、休憩時間には軽食やワインなどを楽しむ人々の姿をよく見かけます。ロックダウンで家にこもっていた頃、毎日、部屋着ばかりだった、という人もいるかもしれませんが、少し着飾って出かけるのも、気分転換になって良いですよね。素晴らしい公演で、幸せな一時を過ごせればなおさらです。

デザインの工夫

暗い冬を快適に過ごすために、北欧では照明やデザインも色々工夫されています。とはいえ、私自身はその方面は全く詳しくないので、こちらで長年の付き合いになる友人、加藤三佳さんに話を聞いてみました。ヘルシンキの美術大学を卒業し、現在は、イッタラの店員をしている彼女とこういう話をすると、全く視点が違う事に気が付きます(イッタラは、機能性があり美しいガラス製品で有名なフィンランドの会社です)。

まず、灯に対するこだわりですが、フィンランドでは間接照明が色々なところに取り入れられているそうです。間接照明というのは、ただ単に直接照らすのではなく、壁などに光を反射させて部屋を明るくする、という照明法ですが、これはいかにソフトに、自然に明るくするかに力を入れているのだそうです。ヘルシンキ中央駅すぐそばにある、中央郵便局と現代美術館キアスマの間の小径にも、間接照明のランプが使われているそうですが、筆者は今回初めて知りました!

また、ヘルシンキの街中を散歩すると、淡い色の壁が多いのに気づくと思うのですが、これは、暗い時期でも太陽の光を最大限に引き出せるように、という工夫だそうです。フィンランドの誇る建築家、アルヴァー・アールトも光の効果を考慮して、家の設計をしていたそうです。

家の中で過ごす時間

冬は家の中で過ごす時間が増えるので、いかに快適に過ごすか、気分を下げずいられるかという事を重視して、インテリアも工夫されています。フィンランド人は、家の中でキャンドルを使うのも好きですね。朝7時に起きても暗いので、確かに蛍光灯よりも、キャンドルを燃やしたほうが寝起きの目にも優しい感じがします。また、目覚ましランプという品も普及しており、設定した目覚まし時間前より少し前から、徐々に部屋を明るくしてくれます。

日照時間が少ない冬は、暖かい室内でも観葉植物を育てるのも大変。テーブルクロスやカーテンに、自然の色やモチーフ、派手目のプリントが入っているのも、冬の植物が育たない時期でも、自然を取り入れたい、という思いから来ているそうです。日本でもお馴染みのマリメッコにも、ウニッコ(ケシの花)を代表とし、自然のモチーフはたくさん使われていますね。

また、昔は寒さを凌ぐために、家々の窓はとても小さかったそうです。今は、暖房技術が発展しているので、逆に光を取り入れられるような大きな窓が多いですね。

ロイヤルコペンハーゲンvsアラビア

陶器で有名なアラビア社の1800年代後半設立当時、ロシア領で決して豊かではなかったフィンランドで、たくさん陶磁器を製造し、それを輸出する事によって、外貨を獲得をするという目的がありました。昔は食器だけでなく、衛生陶磁器なども製造されていました。なので、当時から大量生産する技術に力を入れていたようです。また、デザイナーのカイ・フランクが特に力を入れた機能的なデザインが特徴的で、狭いキッチンでも重ねて収納出来るコップ、ケーキ用の小皿にもなるソーサーなどが代表的製品です。

と言われても、ピンと来ないかもしれないので、我が家の食器の一部を公開!(笑)

それに反して、王国デンマークのロイヤルコペンハーゲン。1775年に、当時の国王と王妃によって、王室使用と、他国の王室への贈り物を製作する事を目的に設立されました。そう、何せロイヤルなので、市民へのものではなく、王室に献上する製品という事で、上質なものを、伝統を大事に製作されてきました。

ですが、今は何とアラビアの親会社、フィスカース・グループの傘下にロイヤル・コペンハーゲンも入っています。先述のイッタラも、フィスカースグループの一社です。フィスカースは1649年に設立された、今日フィンランドで一番古い株式会社でもあります。フィスカースという名前自体はあまり馴染みがないかもしれませんが、世界中で愛されている元祖オレンジ色のハンドルのハサミの会社です。

https://www.fiskarsgroup.jp

フィンランドデザインのマリメッコ、イッタラ、アラビアなどは日本でも、割と気軽に手に入るようになりましたね。

秋の夜長、インテリアに明るい色を取り入れたり、コンサートやライブ公演などで、皆様も素敵な晩秋をお過ごしください。

コンサートと言えば、このたび、ヨーロッパ在住の日本人女性トロンボーン奏者4人でカルテット「ミューズ・トロンボーン・カルテット」を結成し、年明けの1月6日の名古屋を皮切りに、大阪、東京、高崎にて、デビューコンサートを行う事になりました! 私はユーフォニアムも演奏予定です。お客様に至福のひと時をお届け出来るよう、夏から合宿を行い、準備してきました。ぜひこちらにもお越しください!

ミューズ・トロンボーン・カルテット メンバー

清水真弓、土井詩織、渡辺亜紀子、児島瑞穂 

詳しい情報はこちらへ。

http://www.maeda-associates.com/muse/

日本政府によるオミクロン株の感染拡大防止の入国規制強化に伴い、公演は延期となりました。新たな日程が決まりましたらお知らせいたします。

今回はフィンランド国民的作曲家シベリウスの即興曲Op.5より、1番をお届けします。
5月には爽やかな春を彷彿させるような、6番をご紹介しましたが、
https://mtfujimusic.com/5440/
今回は、逆に暗い冬をイメージさせるような曲です。
フィンランドは12月6日に104回目の独立記念日を迎えます。いつも独立記念日あたりには、シベリウス作曲のフィンランディアが頻繁に演奏されています。
また、シベリウスの誕生日である12月8日は、「フィンランド音楽の日」と定められています。

☆この連載を読んでくださっている方へのプレゼント。私たちのCD ユーフォリア・ブラス・セクステット「Kun」(定価2,500円) と、私の高校時代からの友人で、マウントフジミュージックの代表、藤井君のリーダーアルバム「Lullaby of Angels」(定価2,500円)を2枚組3,500円(税込3,850円/送料無料)で販売いたします。ぜひこの機会にお求めください!

フィンランドの金管アンサンブル、ユーフォリア・ブラス・セクステットのファーストアルバム、「Kun 〜時(とき)」。ヘルシンキ市立劇場の女優、歌手であるエミリア・ニューマンをソリストに迎え、1950〜1960年代にフィンランドで流行った歌を中心に収録。斬新な編曲で好評を博す。

ヴィサ・ハーララ(トランペット・キュミ・シンフォニエッタ首席)
元フィンランド放送交響楽団トランペット副首席。ブラジル音楽を心の拠り所にしている、マルチインストゥルメンタリスト。

ミーッカ・サーリネン(トランペット・フィンランド放送交響楽団副首席)
元々、スタジオミュージシャンとして、ポップス系や、ロックバンドでも働いていたが、放送響入団後はバロックに目覚め、現在はフィンランドバロックオーケストラ団員、シベリウス音楽院講師を兼任。

ユッシ・ヤルヴェンパー(ホルン・ユヴァスキュラ・シンフォニア首席)
元フィンランド国立オペラ劇場オーケストラ、副首席契約団員。自身の出身地である地方都市にて、音楽祭を定期的に主催している。

アンナ マイヤ・ライホ イヘクウェアズ(トロンボーン・トゥルクフィルハーモニー副首席)

元フィンランド護衛隊音楽隊副首席。トゥルク・ジャズオーケストラの設立メンバーでもあり、ジャンルを超えたクロスオーバーを得意とするトロンボーン奏者。

児島瑞穂(ユーフォニアム・北ヘルシンキ音楽学校)
東京都調布市出身。国立音楽大学、フィンランド国立シベリウス音楽院卒業。フリーランス音楽家。トロンボーン奏者としても、オーケストラの契約団員やエキストラとして活動。

アレクシ・サラスカリ(テューバ・北部キュミ音楽学校)
キュミ・ブラスイベント芸術監督。吹奏楽指導者、指揮者としての評価も高く、フィンランドの吹奏楽指揮者オブザイヤーを2020年に受賞。

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