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2022
01.30

幸せの国フィンランドからの音楽便りVol.10「趣味の時間」

年が明けましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
冬休みもありましたので、今回は休暇や、ふだんの自由な時間の使い方のお話です。

フィンランドでは、自分の趣味の時間を大事にする人がとても多いように思います。
さまざまなスポーツ、芸術、ハイキングは代表的ですが、フィンランドは読書好きが多いことでも知られており、図書館の利用率も高いそうです。

2018年12月にはヘルシンキ中央駅側に「Oodi(オーディ)」という名前の、とても斬新で立派なヘルシンキ中央図書館がオープンしました。


こちらは、2019年に国際図書館連盟主催の『公共図書館アワード(Public Library of the Year Award)』を受賞しましたが、非現実的とも言えるような外観の建物の中に、読書や映画鑑賞などを赤ちゃんから大人まで楽しめるスペースが広々とあり、さらに、カフェや屋上テラスと、コロナ禍前は市民の憩いの場となっていました。

(ちなみに、2021年にはフィンランド北部オウル市の図書館が、環境を配慮した図書館に送られる「グリーン・ライブラリー・アワード」を受賞しています)

また、この中央図書館の向かいには、2011年にオープンしたヘルシンキ音楽センターがあります。この図書館と音楽センターの間の広々としたスペースでは、昨夏、音楽関係、イベント関係の人々によるデモがありました。

(デモについてはこちらに記述しています

音楽センターには、現在、ヘルシンキ・フィルとフィンランド放送交響楽団の両方、また、シベリウス音楽院も入っています。

私が留学した当時は、この一等地に古びたレンガ作りの国鉄の倉庫がありました。

シベリウス音楽院の建物内からよく見える場所だったのですが、こんなに立派な建物が建ち、開放的なスペースが現れるとは全く想像が出来ませんでした。


ところで、スポーツはいろいろありますが、今の時期の北欧といえば、ウインタースポーツが頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

実際ヘルシンキ市内でも、暖冬でなければ、至る所にアイススケートリンクが現れます。気温が氷点下になった時に、空き地や公園に水を張り、凍らせ、整備されるのです。一年前は寒かったため、それらに加えて、なんとヘルシンキの海でもスケートが出来る状態になり、市民が気持ち良さそうにスケートをしていました!

フィンランド周辺で海が凍るのは当たり前、凍らない年は暖冬という感じなのですが、ヘルシンキの南側でこのように綺麗に凍って、スケートが出来る状態を見るのは初めてでした。どこまでも続くだだっぴろい「スケート場」。

この風景は一生忘れないと思います。


私はスケートはそんなに得意ではないのですが、スキーは大好きです。日本ではダウンヒルスキー(リフトに乗り、上から滑る一般的なスキー)しかやったことがありませんでしたが、ここ最近はクロスカントリースキーにハマっています。

アイススケートやクロスカントリースキーは、フィンランド人なら誰でも経験した事のあるウインタースポーツで、特にアイススケートは、皆さん普通に上手です。アイスホッケーが国を代表する人気スポーツですので、それくらい上手な人がたくさんいるのです。

クロスカントリーに関しては、大好きな人と、「無理やり寒い中やらされた」などの嫌な思い出があり、好きでない人に分かれるようですが、、。


外の新鮮な空気の中で、汗びっしょりになる全身運動をし、加えて美しい景色を見て癒される。心も体も気持ち良くなるこのウインタースポーツに、私はどっぷりハマり、昨年の4月上旬にはシーズンオフになったヘルシンキから、スキーシーズンの続くフィンランド北部のラップランドまで、友人と二人で謂わばスキー合宿に行ってきました。

中学校・高校と吹奏楽部だった私が、この歳になって、スポーツでこんなに快感を得るとは思ってもみませんでした。

クロスカントリーは、道具さえあれば家のそばでも無料で出来ますし、最高のブレス(呼吸の)エクササイズだとも思っています。滑りたい自分への言い訳かもしれませんが(笑)。

氷点下10度で少し吹雪いていても、滑った後私は幸せな気分になります。普段はシャイなフィンランド人も、クロスカントリーをしている最中は、目が合うと微笑んだり、幸せそうな顔をしている人をよく見かけます。

音楽家仲間では、何かしらスポーツをやっている人も多いようです。クロスカントリーも人気の高いスポーツの一つですが、サイクリング(片道10km以上の通勤路を自転車で)、サッカー、アイスホッケー、マラソン、筋トレ、ボルダリングなどをやっていると、私の周囲ではよく聞きます。

基礎体力作りも、音楽家にとっては大事な日課になっているんですね。

あと、忘れてはならないのがアヴァントと呼ばれる寒中水泳です。湖に氷が張ったら、穴を開けて、泳ぎます。血の巡りが良くなり、健康に良いとか。見ているだけで寒くなりそうですが、、、。

また、フィンランドでは、裕福な家庭でなくとも別荘を持っている人が多くいます。別荘といっても、暖房や電気、水道が無く夏だけ使用可の山小屋ならぬ森小屋タイプだったり、露天風呂までついたラグジュリーな物だったりさまざまですが、休暇になると別荘に行ってのんびりしたり、森に入ってトレッキングをして楽しむのはとても一般的です。私は別荘を持っていませんが、貸別荘に行ったり、近くの森へ行ったり、去年からは近所に借りている畑での土いじりを楽しんでいます。

ヘルシンキ周辺の夕方のラッシュアワーは、16時から17時と言われています。日本の首都圏より大分早いですよね。趣味の時間のために仕事を少し早く切り上げたり、家でのんびりする時間を持つことは、心のゆとり、幸せに繋がるのではないでしょうか。

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フィンランドの金管アンサンブル、ユーフォリア・ブラス・セクステットのファーストアルバム、「Kun 〜時(とき)」。ヘルシンキ市立劇場の女優、歌手であるエミリア・ニューマンをソリストに迎え、1950〜1960年代にフィンランドで流行った歌を中心に収録。斬新な編曲で好評を博す。

ヴィサ・ハーララ(トランペット・キュミ・シンフォニエッタ首席)
元フィンランド放送交響楽団トランペット副首席。ブラジル音楽を心の拠り所にしている、マルチインストゥルメンタリスト。

ミーッカ・サーリネン(トランペット・フィンランド放送交響楽団副首席)
元々、スタジオミュージシャンとして、ポップス系や、ロックバンドでも働いていたが、放送響入団後はバロックに目覚め、現在はフィンランドバロックオーケストラ団員、シベリウス音楽院講師を兼任。

ユッシ・ヤルヴェンパー(ホルン・ユヴァスキュラ・シンフォニア首席)
元フィンランド国立オペラ劇場オーケストラ、副首席契約団員。自身の出身地である地方都市にて、音楽祭を定期的に主催している。

アンナ マイヤ・ライホ イヘクウェアズ(トロンボーン・トゥルクフィルハーモニー副首席)

元フィンランド護衛隊音楽隊副首席。トゥルク・ジャズオーケストラの設立メンバーでもあり、ジャンルを超えたクロスオーバーを得意とするトロンボーン奏者。

児島瑞穂(ユーフォニアム・北ヘルシンキ音楽学校)
東京都調布市出身。国立音楽大学、フィンランド国立シベリウス音楽院卒業。フリーランス音楽家。トロンボーン奏者としても、オーケストラの契約団員やエキストラとして活動。

アレクシ・サラスカリ(テューバ・北部キュミ音楽学校)
キュミ・ブラスイベント芸術監督。吹奏楽指導者、指揮者としての評価も高く、フィンランドの吹奏楽指揮者オブザイヤーを2020年に受賞。

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