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2014
08.09

「4分音符、8分音符、16分音符のタンギング練習/管楽器のためのお役立ち基礎練習の使い方

当サイトで販売している「管楽器のためのお役立ち基礎練習」の解説を書いたページです。
練習の効果を上げるためにも、必ず読んでから始めてください!

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この記事では、「4分音符、8分音符、16分音符のタンギング練習」について解説したいと思います。

金管楽器、木管楽器に関係なく、演奏の向上で最も大切な要素は、ロングトーンとタンギングではないでしょうか?

4分音符の練習は、スケールのロングトーンの延長線上で、リラックスして7拍伸ばしながらタンギングする意識をもってください(仮にスタッカートであっても、フレーズは2小節単位です)。伴奏はクラシカルなオルガンの音にしてあります。

金管楽器の倍音列が変わる部分で音が変わるようになっていますので、金管の方は倍音ごとにムラがない音作りを心がけて下さい(「A」に書かれている指番号、ポジションで、同じように「F」まで全て吹く事で、ムラなく楽器を鳴らせるようになります)。木管楽器はちょっと不自然な場所で倍音が変わってしまう部分もありますが、全体を通せば、なるべくそれぞれの楽器の音域を満たすように作っています。臨機応変にオクターブの調整などをしてみてください(金管と一緒に練習する事も想定しています。)。

8分音符、16分音符の練習は、オクターブを半音階で往復する練習です。

伴奏は、8分音符がロックの8ビート、16分音符がサンバのリズムになっています。

後に出てくるインターバル・ロングトーンはスイングのリズムですので、この3つを練習すれば、少なくとも3種類のリズムや和音(コード)の響きの中で練習が出来ますね。

コードネームが書いてあるので、ハーモニー感覚を養ったり、アドリブの練習にもなります。

以下、譜面に書いたポイントをさらに細かく解説していきます。

・半音階のタンギング練習です。スタッカートやレガートなど、異なるアーティキュレーションで練習してください!

インターバル・ロングトーン同様、半音階を使う事によって、オクターブ内の全ての音を最短時間で練習出来ます。異なるアーティキュレーションで練習するのは、より実践的に曲の中で使うためです。当然ですが、曲の中では、スタッカートで演奏しなければいけない場所もあれば、逆に、レガートで演奏しなければいけない場所もありますよね?

これはタンギングの練習に限った話ではないのですが、アマチュアの方の練習を見ていると、基礎練習がある意味「儀式」のようなものになってしまっていて、「実際に曲に生かす」事を全く意識せずに練習しているなと感じる事がよくあります。

たとえば、自分自身の活動をイメージし、「あの曲のあの部分のスタッカートの8分音符を上手に演奏したい!」という風に考えて練習する事で、基礎練習と実際の曲とがリンクされていきます。この感覚をもっている方と、そうでない方とでは伸び方が全然違うので、ぜひ心に留めておいてください。

さらにアマチュアの方に不足している感覚としては、お手本となる上手な演奏にあまり触れていないため、良いスタッカートやレガートがどういうものなのか、そもそも具体的にイメージ出来ていない事です。これでは、せっかく実際の曲を意識する感覚をもって練習していてもあまり意味がありません。

クラシック音楽で使われるスタッカートと、ポピュラー音楽で使われるスタッカートは全然違います。前者はコンサートホールのような広い会場で、やや響きに乗せて吹く感覚なので、少し余韻が残りますが、後者はライブハウスなどのデッドな(残響がない)場所で、エレキ系の楽器やドラムなどと一緒に演奏する事が多いため、余韻を残さず、かなり短く切ります。

このように、ジャンルによっても奏法が変わってくるので、具体的な使用目的や、お手本になるプレイヤーの演奏をイメージ出来ている事はとても重要になると思います。

下りはフラット、上りはシャープで表記しています。異名同音に慣れましょう!

記譜の決まり事として、下りはフラット、上りはシャープで書くというのがあります。ただ、和音の関係で例外もあります。皆さんおなじみのBb(ベー)の音ですが、シのフラットと書かれているとすぐに指なども反応出来ますが、ラのシャープと書かれているとちょっと戸惑いますよね?使用頻度は低いですが、どちらの読み方にも慣れておきましょう。

アーティキュレーションが変わっても、音程やリズムが一定になるように気を付けましょう。

アマチュアの方のレッスンをしていると、ロングトーンでは正しい音程で演奏出来ているのに、スタッカートやレガートになると、音程が変わってしまう人をよく見かけます。(特に金管の方の)傾向として多いのが、スタッカートの場合、息や舌に勢いが付く(力が入り過ぎている?)せいか、音程が上がり、レガートの場合はその逆で、滑らかにしようとし過ぎて脱力してしまうのか、音程が下がり気味の方が多いように感じます。

それから、スタッカートはひとつひとつの音が短いため、前のめりになってしまい、前に転ぶ傾向、レガートは逆に、拍一杯まで吹こうとし過ぎるせいで、遅れ気味になる方がいます。

これらはあくまで傾向なので、皆さんが同じ状態であるかどうかは分かりません。チューナーで音程を確認したり、録音してタイミング通りに吹けているかなどを確認してみてください。

音色や音量が一定になるように気を付けましょう。

たった1オクターブであっても、ピアノなどの楽器とは違い、均等に演奏するのが難しいのが管楽器です。これは、金管の場合だったら、押さえる指の数(トロンボーンの場合はスライドを縮めるか伸ばすか)で管の長さが変わり、木管の場合は指を押さえる数によって抵抗感が変わるからです。上手な人は、この抵抗感を理解し(意識しているか無意識かは人によると思います)、息の量や使い方を上手く調整出来ているのだと思います。
この辺りの説明は「ブレスコントロール」という重要なテクニックが関係してくると思うので、また改めて書きたいと思いますが、まずは自分の音をよく聴いて、ムラがないように心がける事です。その際、前述した良い見本をイメージする事も意識してくださいね。

異なるオクターブやリズムでも練習してみましょう!

余裕のある人は、上下に音域を拡張させてください。まるまるオクターブでなく、自分の出来る所からでも構いません。当然音程、リズム、音色や音量のキープはより難しくなりますので、さらにレベルアップしたい方にはとても良い課題になるでしょう。

譜面の最後には「リズムを変えたパターンの例」を4つずつ書いてありますので、これらに変えて演奏してみると、より実践的になるでしょう。アドリブ(即興演奏)に興味のある人は、ランダムに自分自身でリズムを創りながら練習してみるのも面白いと思います。

基礎練習を実践に近付けた感覚でやる事により、退屈、マンネリを防止する事が出来ます!ロングトーンと合わせても最短だと10分かからないので、無理のない量で、楽しみながら続けてくださいね!


2015.06.04.追記
最近ベルリンフィルのホルン奏者「サラ・ウィリス」さんが、ご自身の演奏中のMRI動画をYoutubeに投稿して下さいました!今まで口の中で起きている事は見る事が出来なかったので、とても画期的な動画です。舌の動きや喉の開きなど、とても勉強になりますよ!


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PROFILE
フジイ ヒロキ
フジイヒロキ/藤井 裕樹

株式会社マウントフジミュージック代表取締役
Trombonist, Composer, Arranger,
Teacher, Writer, Producer, Consultant

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